大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32年(あ)1647号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人前堀政幸の上告趣意は、単なる法令違反、量刑不当の主張を出でないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、原審の是認した第一審判決認定にかかる被告人の製造たばこ密造の所為と(判示第一事実)密造たばこの各譲り渡しの所為(判示第二事実)及び密造たばこ不法所持の所為(判示第三事実)とが、吸収包括または牽連関係にならないとした原判示は、当裁判所判例(昭和二三年(れ)二〇六三号同二四年一二月二一日大法廷判決、集三巻一二号二〇五三頁、昭和二八年(あ)一五三四号同三〇年一月一四日第二小法廷決定、集九巻一号四五頁参照)の趣旨に徴して正当である。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものと認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例